2018年8月22日水曜日

基板設計ソフト「Eagle」でグリッドの初期設定を変更する方法

※本記事ではEAGLE 9.1.3(2018/08/22時点での最新version)における方法を紹介します。

EAGLEで回路設計や配線作業をするとき、グリッドを表示させるとやりやすいです。
しかし、EAGLEの初期設定では単位がinch及びmil(ミル:1/1000インチ)になっており、日本人からすると分かりにくいです。

レイアウトエディタのGrid初期設定
スケマティックエディタのGrid初期設定

1inch=25.4mmであることを頭の片隅に置いておけば、グリッドの単位がインチでも大丈夫だろうと思うかもしません。
ここで注意してほしいのは、単位をインチにしてしまうと座標やドリル径等の寸法もインチ表示になってしまうことです。
下図は直径3mmのドリルを描写している画面ですが、Gridの単位がインチですので、赤い枠内は3mmをインチで表した中途半端な数字が表示されています。


つまりメートル単位の部品を使う以上、少なくともレイアウトエディタのGridの単位はmmにしておくべきでしょう。

ここから本編。
まず、コントロールパネルのScriptsタブ内、Scriptsフォルダにあるスクリプトファイル「eagle.scr」を開きます。
新規製作したファイルへ適用される基本的な設定は、このファイルにより定義されます。

コントロールパネルからスクリプトファイルへアクセス

Gridの初期設定は、このスクリプトファイルを編集することで変更できます。

レイアウトエディタの設定を変更する場合はBRD:というセクションを、スケマティックエディタの設定を変更する場合はSCH:というセクションを編集してください。

スクリプトファイルに、次のテキストを下図のように付け加えてください。

GRID MM 0.5 LINES ON;
GRID ALT MM 0.1;
GRID MM 1.27 DOTS ON;
GRID ALT MM 0.635;

SCH:セクションにはGrid Default;が1行目に書かれていますが、それより後に該当のテキストを加えてください。

変更後のスクリプトファイル

黄色に色付けされたテキストは、通常のグリッドの単位・間隔・表示スタイルを変更することを表しています。
水色に色付けされたテキストは、Altキーを押したときのグリッドの単位・間隔を変更することを表しています。

ここでは、レイアウトエディタは0.5mm間隔でライン表示、スケマティックエディタは1.27mm間隔でドット表示にしています。
回路図を設計するスケマティックエディタでは、1.27mmのようにインチに合わせることをおすすめします。

スクリプトファイルを変更した後は左上のFileから上書き保存をしておきましょう。

以上の方法をとることで、新しく作成するプロジェクトファイルにおいては変更後のGrid設定が適用されます。
ただし既に作成したプロジェクトファイルでは、スクリプトファイルを実行する必要があります。
以下にその方法を紹介します。


まず、適用するプロジェクトファイルを開きます。
開かれたレイアウトエディタ及びスケマティックエディタで、スクリプトファイルを実行します。
下図において、赤丸で囲まれているアイコンを押してください。

レイアウトエディタでの例

NameがEagleとなっているスクリプトファイルを選択し、OKを押してください。


これで設定変更が適用されているはずです。
左上のGridアイコンを押して確かめてみてください。




参考