2019年10月29日火曜日

面心立方(FCC)格子の結晶面を3Dモデルで表示

表題の通り,面心立方格子(face-centered cubic lattice)の3Dモデルを作製しました.

FCCは高校の化学で習うので,知っている人も多いと思います.
ミラー指数などになると高校では習いませんが,材料工学の基礎なので大学の講義で習うことが多いのではないでしょうか.

なおこの記事はスマホでの閲覧は非推奨です(重いため).




格子点1が原点に位置しています.
格子点の色分けはFCCにおける積層構造を示しており,格子点の位置が異なる,3種類の配列が繰り返されます.



FCC構造を持つ材料は,上記の単位格子がいくつも組み合わさって構成されています.
下記の画像は,27個のFCC構造の単位格子から成る3次元モデルです.
"CrystalOgraph"と呼ばれる,スイス連邦工科大学ローザンヌ校が提供するフリーソフトで作製しました.


また,結晶面を表すのに一般的にミラー指数(Miller index)が用いられます.
二次元の図では結晶面とミラー指数を結び付けるのが(私は)困難だったので,こちらも3Dモデルで表しました.


次は3種の立方体面(cube plane)を表示させています.
緑面が(100),青面が(010),赤面が(001)です.






次は3種の12面体面(dodecahedral plane)を表示させています.
緑面が(110),青面が(011)←間違えている,赤面が(101)です.







次は2種の8面体面(octahedral plane)を表示させています.
緑面が(111),青面が(-1-1-1)です.
互いに平行な面は,同じ指数もしくは符号が全て反転した指数で表されます.







最後に問題.
次の面はどんなミラー指数で表されるでしょうか?



↓答えは下!↓




























正解は,緑面が(-111),青面が(211)です.


今後この記事は,より分かりやすくするためにモデルを随時アップデートしていけたら良いなと考えています.
誤りがあったら教えてください.